予防とは...?
定期検診
定期的なお口の検診が、お口の病気の早期発見につながります。とくにむし歯や歯周病は初期段階では自覚症状がないため、定期検診で早期発見することが、お口の健康への一番の近道です。当院では、歯周病の検査やクリーニングなどをおこないます。早期治療であればあるほど、治療にかかる時間と費用が少なくすみます。歯のダメージも軽くなりますので、まずは当院までご相談ください。
予防とは、歯をむし歯や歯周病などの病気から守るためのケアです。
これまでは、歯科医院は「痛くなってから行く」というのが常識でしたが、それでは治療のたびに歯が削られ、歯の耐久性が落ちてしまいます。そのため今は「悪くなる前に行く」のが常識です。
お口の中の健康を維持できると、いくつになっても自分の歯を失わずにすむこともわかっています。ご自身の歯で生涯食事ができることで、全身疾患の予防にもつながります。
歯の健康をいつまでも守るためには「自宅での毎日のケア」と「歯科医院での定期的なケア」が大切です。皆さまの大切な歯を生涯守るために、治療だけでなく、予防についてもお手伝いいたします。
妊婦さんの予防
歯周炎をそのままにしていると、低体重児出産の可能性を高めてしまう場合があります。
そのようなことを予防するためにも、安定期には歯医者さんへ向かい、口腔内ケアを行うようにしましょう。
お子さまの予防
大人からの感染や、不十分な口腔ケアによって感染することがほとんどです。
感染リスクを下げるために、大人との食器の共有を控え、小さな頃から歯科医院に通う習慣をつけましょう。
また、乳歯は永久歯よりもやわらかいためむし歯になりやすく、むし歯の進行も早いという特徴があります。
「乳歯はそのうち抜けるから」とむし歯のまま放置しておくと、永久歯にもむし歯菌が感染して、将来にわたりお口の健康を損なう恐れがあります。
小さな頃からの適切な予防ケアで、むし歯にならないお口をめざしましょう。
お子さまのむし歯予防には
フッ素(フッ化物)について
「フッ素」は歯の再石灰化を促し、むし歯菌の抑制や歯質を強くする効果があるため、むし歯予防にとても有効です。当院では安全性の高い高濃度のフッ素を定期検診で塗布し、むし歯予防を行っています。
フッ素はお茶の葉など食べ物にも含まれる栄養素の一種で、身近にあるものです。
ご自宅でもフッ素入り歯磨き粉などを使って、むし歯を予防しましょう。
シーラントについて
奥歯は磨くのが難しく、生えはじめの歯質がやわらかい時期にむし歯になってしまうお子さまが多くいます。生えてきたばかりの奥歯の凸凹を歯科用樹脂で埋め、むし歯にならないようにする予防法が「シーラント」です。むし歯ができる前に、フタをするというわけです。奥歯が生えはじめたら、早めにシーラントをして、むし歯を防ぎましょう。
お子さまの歯並びの予防には
口腔機能訓練について
お口のまわりの筋肉や舌の筋肉の検査を行い、必要な筋肉などのトレーニングを行うことで、歯並びや癖の改善などをはかることができます。また、お子さまが生まれる前、歯が生える前のアドバイスもいたします。
食育について
あえて、野菜などを大きめに切り、前歯で噛む力をつけることや、離乳食のアドバイスも行っています。栄養はもちろん、「噛む」ことでのメリットもお伝えします。
大人の予防
お口と全身疾患の関係
お口の健康は、全身の健康と深く関係しています。むし歯や歯周病の原因である細菌は、誤嚥により肺に入ると肺炎を引き起こすことがあります。また、歯周病菌は傷ついた歯ぐきから血管に入り込んで全身をめぐり、脳梗塞、心筋梗塞、糖尿病、認知症、早産など、重篤な全身疾患を引き起こしたり、重症化させる可能性があります。
むし歯や歯周病の予防で健康なお口を保つことは、身体全体の健康にもつながっていくのです。
歯周病が原因で起こりうる病気
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心臓
狭心症・心筋梗塞…歯周病の原因菌により、動脈硬化を促す物質が誘導される。
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すい臓
糖尿病…血糖値を下げるインスリンが炎症物質により効きにくくなる。
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子宮
早産・低体重時出産…炎症を促進する物質が分泌され、子宮の収縮を促す。
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骨
関節炎・腎炎…歯周病の原因菌に病原となる球菌が含まれているので発症しやすくなる。
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肺
誤嚥性肺炎…食べ物と一緒に細菌を飲み込み、むせることで気管から肺の中に入る。
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骨
骨粗しょう症…噛む力が低下し、栄養が取れなくなり、エストロゲンの減少で進行しやすくなる。とくに女性に多い。
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おなか
メタボリックシンドローム…歯周病の毒素の影響で、血糖値が上昇する。
当院の予防
かみ合わせのチェック
患者さまにぴったりの予防計画を立てるために、はじめにかみ合わせをチェックします。かみ合わせは人によって異なるものですが、上下左右のかみ合わせに問題があると、歯磨きがしづらい部分が出てしまいます。さらに、一部の歯に偏った力が加わり、負荷がかかって弱くなってしまう場合があります。
かみ合わせを確認することで、お口全体の環境を把握していきます。
歯ぎしり
歯ぎしりには、歯をギリギリさせる「ブラキシズム」、歯を噛みしめる「クレンチング」、歯をカチカチさせる「タッピング」などの種類があります。自覚症状がないまま歯ぎしりをしている方は多くいます。続けていると、歯にヒビが入ったり、詰め物や被せ物が取れる原因になります。
寝ているときなど無意識の歯ぎしりに関してはマウスピースで緩和し、起きているときは意識してやめていただくためのアドバイスをお伝えいたします。
ブラッシング指導
毎日の歯磨きも、正しい方法で行わなければ意味がありません。歯磨きには、歯並びや歯の形にあった適切なブラッシング方法があります。磨き方を見直すだけで、劇的にお口の環境が改善する場合があります。
当院では、お一人お一人の歯並びに合ったブラッシング法もお伝えしています。
正しいブラッシング方法を学び、ご自宅でのセルフケアをより効果的なものにしていきましょう。
PMTC
PMTC(プロフェッショナル メカニカル トゥース クリーニング)とは、歯科医師や歯科衛生士などの専門家が専用の機器を使って行う歯のクリーニングのことです。30~50分程度の時間で、歯磨きでは取り切れずに蓄積した汚れをきれいに落とすことができます。
さらに、仕上げにフッ素コーティングを行い、表面をツルツルにして汚れを付きにくくすることで、むし歯・歯周病に非常に高い予防効果があります。